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知的資本論

吉川国之 氏  2016/12/22


蔦屋書店やTカードのカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の増田社長の本です。

"デザイナーでなければ、生き残れない"

第一章にあるこの言葉に、物流業界に身を置く私は違和感を受けました。
しかし読み進めていく中で、今後経営者として仕事をしていく上で非常に大切なものだと感じるようになりました。

デザインという知的資本がいかに大切であり、経営者にとって必須のものであるかが
全6章に分けて書かれています。

まず印象に残ったことは、商品やサービスは機能とデザインでできていると考えること。
機能があって、それに付け足されるものがデザインではなく、機能と同じくらい大切なものだと
言及しています。
デザインを提供サービスのスタイルと考えれば、ただものを運ぶ・保管するといった機能だけを
主役に考えるのではなく、運び方・保管の仕方を意識することが差別化の一歩なのかもしれません。

次に、知的資本は貸借対照表に載せることができない財産であるということ。
"ブランドやデータベース、豊かな見識、経験などバランスシートに載らない知的財産こそが
これからのビジネスでは死命を握る要素となる"

この本を読んでいると、どんな仕事も「クリエイティブな要素」が重要だと言われているようです。
機能は技術力の発展で模倣されるかもしれないが、デザインはそう簡単には真似できません。
デザイン力をどこに活かすかが、企業にとっても個人にとっても問われるのでしょう。

増田社長は、蔦屋書店は空間を提供する場所と位置付けていますが、我々物流業でも同じ意識を
持ってサービスを考え直したら、今までとは違った打ち出し方やサービスの在り方を見出せる
かもしれませんね。

そして最も印象的だったのは、これからは並列の時代だということ。
経営者が資本家で、社員が労働者。
こんな感覚を早く脱ぎ捨て、社員こそが知的資本を有する資本家と考えて互いに並列に置かれるべきだと書かれています。
業種業態で若干違和感を覚えるかもしれませんが、よくよく考えてみると現場にすべてのヒントがあると言われることを考えても社員の知恵を活かせるかが企業の生命線になるといえるでしょう。

視点を変えるきっかけにするのには良い本だと思います。
物流業界に無い、新しい感覚を求めている方にお薦めです。




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