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ダイバーシティ雇用 障がい者の就職件数、8年連続で増加 / 『物流ウィークリー』ニュース (2017年10月05日)

 労働人口減少に端を発した労働力不足で、さまざまな場面でひずみが生じている中、社会のあり方や働き方が見直されている。これまで十分に活躍の場が与えられてこなかった働き手を、いかに増やしていくかが、運送業ひいては日本にとって次への一歩になり得る。


 運送業で今後の働き手として期待されているのが女性や高齢者、障がい者だろう。厚生労働省は、ハローワークを通した障がい者の2016年度の就職件数は9万3229件と、8年連続で増加したことを発表した。企業はダイバーシティなどの観点から、障がい者雇用を促進している。


 身体障がい者の就職件数は10年前からほぼ横ばいなのに対し、知的障がい者・精神障がい者は増加している。特に精神障がい者の就職件数は、10年前の6739件から4万1367件へと急上昇している。国も助成金やジョブコーチ派遣などで、企業の障がい者採用を支援しているため、8年連続の増加につながったとみられている。なお来年4月には、民間企業の法定雇用率が2%から2.2%へ引き上げられ、2020年度末までにさらに2.3%に引き上げることが決まっている。


 障がい者の就職件数向上は喜ばしいが、職場への定着支援という新しい課題もある。2010年の「精神障害者の雇用促進のための就業状況等に関する調査研究」によると、ハローワークを通じて就職した精神障がい者のうち、1年以上在籍したのは49.1%だった。時間をかけて社内調整や社内の理解を深めて準備を行い、実際に障がい者が従事する業務について実習などを行い、採用することが必要だ。


 ひろく視線を採用の問題に移すと、運送業においては、ようやく女性活躍推進の旗を掲げる動きが見られているが、ダイバーシティ雇用により同質だけでは実現することが難しい労働力の確保や、新たな発想や価値の創造などが実現できる。個人の持つ能力を最大限に発揮させるには、それまで社内で大多数であったグループにとって、有利だった働き方やそれを支える人事システムの見直しが必要となる。


 今後、企業は従業員が、自分の持つ価値観やニーズに合った働き方を選択することができるよう、多様な働き方の選択肢を用意することが求められている。多様な働く人のあり方に着目した方向性と施策が、あるべき姿ではないだろうか。それが結果として、ダイバーシティを実現できる社風へとつながっていく。


 現在、運送業で大きな課題となっている採用難を解決するためには、多様な属性の人たちをターゲットとして活用していくことが求められている。従来のような「男子正社員」一辺倒では近い将来、組織が立ち行かなくなるのは明らかである。女性や高齢者、外国人といった集団をダイバーシティの対象と捉えても、その中にいる個人はそれぞれ複雑だ。一人ひとり違う個人を、どのようにマネジメントしていくかに重きを置くべきだろう。


 組織では、個人の違いを理解し受け入れ、違いから生じるギャップを埋める努力をすることが大切といえる。働く側も、相手を理解しようとする気持ちを持つことで、自分の取るべき行動が分かってくる。その意味で、ダイバーシティは解決される課題ではなく「強み」になる。その取り組みに終わりはない。


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