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次世代の人材確保 業界の将来のために「種をまく」 / 『物流ウィークリー』ニュース (2016年10月27日)

  人材の売り手市場が続く中、企業は人材確保に悪戦苦闘している。トラック運送業の業界団体でも、本腰を入れ始める事例が増えてきた。業界団体のあいさつで「人材不足のままでは事業の拡大どころか維持もままならない」と聞く機会が増えたが、事業者と団体がともに危機感をもたなければ、運送業の衰退は避けられない。今から若い世代に業界を知ってもらい、将来の採用につながる「種まき」をしていかなければ、今後の人材における新規参入は厳しい。


 近畿では滋賀県トラック協会(田中亨会長)が、昨年度から高校生に向けて物流業界をPRする「キャリア教育」を実施。県内各地の高校を訪問し、トラック運送業について知ってもらうことで、将来の採用につなげていく考えだ。


 大阪府トラック協会(辻卓史会長)でも、先日行われた委員会で、労働力確保に向けた具体的な取り組みの計画について説明が行われた。中学校に出向いての出前講座や物流施設の見学、物流事業者での職場体験などを予定しているという。


 同じく人材不足にあえぐ介護業界では、新たな形のインターンシップを実施すると発表した自治体がある。本来、手当のない職場体験だが手当を支給し、福祉を専門的に学んでいない学生や卒業後3年以内の既卒者を広く募集する。また、インターンシップに合わせPR動画も制作されており、仕事の将来性や賃金、職場環境の改善状況などが紹介されている。動画などでマイナスイメージを払拭することは、イメージ戦略の一翼を担い効果的といえる。


 人材確保・育成を念頭に、社会保険の加入徹底や福利厚生の充実など社内体制を改善する企業があるが、これらのコスト増に対応できるような生産性向上の必要性が高まっている。例えば、直接売り上げに貢献しない間接業務の省力化への工夫も生産性向上の一つだ。経費の精算や報告書の作成などについて効率化を図り、成果を出す活動に集中させることが、人材不足への重要な課題となる。


 また、「省人化」も忘れてはいけない。ロボット化が進むことで「ITが人間の仕事を奪ってしまう」と懸念する声があるが、人材不足の中で悠長なことを言っている場合ではなくなってくる。効率化につながる技術を積極的に利用し、労働力を補うことで省人化を推進する必要がある。


 近年の労働観を表す興味深い調査結果がある。人材サービス会社が企業魅力度について世界的に調査したところ、日本は「給与が下がっても勤務時間を短くしたい」と回答した割合が、調査対象の24か国中で最も高かった。また、日本の特徴として勤務時間を短くし、自分自身の自由な時間を増やしたいと思う一方で、その時間の具体的な時間の使い方が不明確である傾向が見られた。これは、長時間労働に対す疲労感の表れと言えるかもしれない。


 少子高齢化が顕著になる中で、動画やラッピングトラックといったイメージ戦略や、作業の効率化、時短などあらゆる「種まき」ができていなければ、今後の人材確保は難しいと言えるだろう。



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