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ベテランを排除しない保障制度の構築 / 『物流ウィークリー』ニュース (2016年10月27日)

  長時間労働の抑制など改善基準告示の順守が、業界をあげて取り組まれている。事業者は拘束時間を月293時間、年間3516時間以内に抑え、連続運転時間を4時間以内、1日の休息期間を継続8時間以上にしようと努力している。


 ただ、手待ち時間は荷主都合に大きく影響されることもあり、事業者個々の取り組みだけでは困難な事例もある。また、地場よりも長距離は順守が難しく、「守っていたら会社が立ちいかない」「ドライバーに給料をわたせない」など、長距離輸送の事業者からは悲鳴が挙がっている。


 法令順守を進めるために、長距離輸送から撤退した事業者も。しかし、「撤退できたのはまだ幸せ。撤退しようにもできず、法律を守ろうとしても守れない――。そんなジレンマに苦しんでいる事業者もいる」と漏らす中小・零細の姿があり、そこには、長距離輸送に慣れたドライバーの存在が。
 長距離の経験が浅く、若いドライバーであれば変化に対応しやすいが、経験の長い年配者になればなるほど難しい。長距離輸送から地場輸送へのシフトを目指そうとしたが、こうしたドライバーの対応に、「地場への切り替えを断念した」と、ある事業者はこぼす。


 長距離輸送を長年、経験してきた年配者にとって、その環境は容易には変えられないというのが本音だ。かといって、改善基準告示に違反したままでは運行は続けられない。コンプライアンスの徹底を断行したという事業者は、結果的に年配ドライバーを切り捨てる決断をしたという。


 法令違反をしているところが悪いと言ってしまえばそれまでだが、取り締まり強化は同時に、長きにわたって長距離輸送に携わり、日夜、荷物を届けてきた年配ドライバーたちの生活を奪うことにもつながってくる。当然、コンプライアンスの徹底は重要だが、業界として、功労者である年配ドライバーらのセーフティネットの構築も考えるべきではないだろうか。



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