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ズバリ商品インタビュー



物流不動産のプロに聞く「首都圏の物流不動産のマーケット動向と仲介目線で見た昨今の事情」 (2014年10月21日)

シービーアールイー株式会社


2014.10.16
「ズバリ商品インタビュー」 Vol.43

今回のズバロジ!は「物流不動産のマーケット動向と仲介目線で見た昨今の事情」と題し、世界に350カ所以上の拠点を構える、世界最大の事業用不動産サービス会社 シービーアールイー(CBRE)で物流施設の賃貸借の仲介サービス、土地の取得、施設・設備の建築、リース、売却、投資を手掛けるインダストリアル営業本部のリーダー3氏にお集まりいただきました。

同社では、首都圏を埼玉方面・神奈川方面・千葉方面の3つのエリアに分け(東京は各エリアに所属)、3グループの体制(各グループは十数人の営業担当者で構成)でマーケットをカバーしています。本日お越しいただいた友田氏、白木氏、佐藤氏は、各グループを統括するリーダーで、首都圏で物流不動産ビジネスに携わるプロフェッショナルというわけです。

高橋:さて最初のご質問ですが、昨今、大型物流施設の開発が各地で見られるようになっています。これらの背景と、新たに誕生した物流集積地のエリア特性について、どのようにお考えでしょうか?



シービーアールイー株式会社

友田氏(千葉エリア):まず、千葉県内でこれまで物流施設開発が進んでいたエリアは、湾岸部の浦安市・市川市・船橋市・習志野市辺りでした。物流施設開発の傾向として「まず湾岸部から」というのは一般的な潮流でしょう。

ただ、昨今はこのあたりの開発余地がなくなり、代わって開発が進んでいるエリアとして挙げられるのが、常磐自動車道柏ICの周辺です。なかでもSGリアルティが初のマルチテナント型物流施設を開発し、約6万坪が供給されたというのは、同エリアにとって大きなトピックスでした。これからの開発も湾岸部ではなく、この柏ICから国道16号線を経て千葉北IC辺りまで、今後2,3年の間に開発が進んでいきます。



佐藤氏(神奈川エリア):神奈川県下で今一番ホットなのは、圏央道の開通で東名高速・中央道・関越道がつながった県西部エリアです。新規供給も多いですし、また、順調にテナントも決まっています。もちろん旧来から人気が高い湾岸部とインターチェンジ周辺は、底堅いニーズを維持していますが、それに圏央道周辺が加わった印象です。

具体的には、相模原市・厚木市・愛川町に新規開発が連続しており、さらに圏央道の延伸とともに、今後は神奈川県南部の平塚市・藤沢市・寒川町等が新たなマーケットとして開発が進む可能性があります。



白木氏(埼玉エリア):埼玉県は千葉や神奈川に比べると、これまでマルチテナント型物流施設の開発が遅れていました。港からの距離、都心からの距離、市街化調整区域が多く開発できる土地が確保しにくいといった色々な要素が、開発を遅らせた要因だと思います。

しかし、ここ数年で、新規開発は目に見えて増えてきました。インターチェンジ周辺に調整区域が多いという根本的な原因が解消されたわけではないのですが、URや埼玉県による分譲地や区画整理地等で開発が進んでいる点が、千葉や神奈川と違う特徴だと思います。



大阪商運株式会社トラックドライバー専門成功報酬型求人媒体『トラックマンジョブ』高橋:それぞれ新たな物流集積地が目立ち始めているようですが、現在のテナントニーズや既存市場への影響といったものは?

友田氏:千葉県下の国道16号線沿いは比較的地価が安く、そこで開発された物流施設は湾岸部に比べると賃料が低めに抑えられています。

私のお客様は3PL事業者が多く、そのためコンペ案件の際は、候補地として提案しやすいエリアだと考えています。エリアに集積する荷主企業も業種に偏りがなく、アパレルや日雑、食品など様々な業種が集まっていることも、ニーズを後押しする強みの1つではないでしょうか。

最近では、どんな業界においても人材不足を耳にしますが、物流業界でも切実な課題となっています。そのため、物流施設においても、人材が集めやすい人口集積地に位置し、さらに駅から近い物流施設のプレミアム感が非常に増しています。

この点で注目なのが、船橋・八千代・柏の国道16号線沿いで、駅から比較的近い物件。こうした好条件であるにもかかわらず、比較的賃料が安いといったことから、この辺りは千葉県内で物流適地の上位に位置してくると思います。



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佐藤氏:最近では運送費の上昇を背景に、配送効率化を目的に地方から東京近郊に物流拠点を移転させる例が見受けられます。その際、賃貸条件以外でポイントとなる物件選定基準は、まずパート・アルバイト等の雇用のしやすさでしょう。周辺人口に加えて、駅からの距離やバス便の有無、駐車場の確保など、人材確保に関する条件が最重要視されています。

仕様としては、作業効率の良さからワンフロアで大きな面積が確保できる大型マルチテナント型施設に人気が集中していますから、昨今立て続けに竣工している圏央道沿いの新規供給は、テナントニーズを獲得する条件がそろっていると言えますね。



白木氏:物流施設を開発する各デベロッパーは、最近は首都圏でも外側に目が向き始めており、圏央道沿線が大型供給の中心となっています。そんななか、埼玉では二次空室が出始めている外環道周辺が、実は狙い目なエリアになっていますね。

外環道は、現在、大泉―三郷間ですが、近々市川まで延伸することを考えると利便性は向上するでしょう。賃料は物件グレードから考えると少し高くなるかと思いますが、公共交通機関からのアクセスは勿論、パート・アルバイト等の労働力の確保が物件選定の重要な決め手となっている昨今、外環道周辺の人材確保の優位性は非常に高いと思います。



佐藤氏:外環道沿いの二次空室という話に関連して、最近は確かに郊外の大型開発施設への注目度が高いものの、一方で都心回帰という流れも見受けられるようになっています。神奈川でも、これまでは企業のコスト削減圧力から、都内の高賃料施設から神奈川の湾岸部、さらに圏央道沿線の内陸部など賃料単価の安い施設へニーズは移って行きました。交通インフラの整備が進み、都内へのアクセスに時間がかからなくなってきたこともそれを後押ししたと言えるでしょう。

ただし、燃料費の高騰や人材確保の問題、さらに最近では、地震のみならず大雪や大雨といった自然災害で都内への配送が困難になるといったことをBCPの視点で考え、「消費地に近い拠点というものが、結局、物流効率化の基本として求められるのではないか」という声をお客様から聞いたりします。ただし、都心に大型の施設が必要かというとそうではなく、あくまで必要なものを必要なだけストックし、すぐに配送できるスルー型のセンターが都心部での物流施設の在り方と言えるでしょう。



高橋:東京近郊に次々と建ち上がる大型マルチテナント型物流施設だけが、ニーズの中心ではないということですね。ただ、その新たな物流適地の最右翼である圏央道沿線は、今回の相模原愛川IC(神奈川県厚木市)と高尾山IC(東京都八王子市)間の開通で、さらに物流ポテンシャルをアップさせましたが?



佐藤氏:厚木―相模原間の交通量が2倍になったとNEWSになりましたが、新たな高速道路の開通、しかも東名高速と中央道、関越道が連結された意味は非常に大きいと思います。またそれにとどまらず、神奈川県下の物流面で皆さんが期待しているのは、周辺の一般道である国道16号線や129号線、246号線の渋滞緩和でしょう。厚木や相模原、座間辺りの渋滞が少しでも解消されてくると、物流の効率化が大きく図られるのでないかという見方をしています。



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白木氏:埼玉県下では、圏央道と並行する主要幹線の一般道というものがなく、渋滞緩和による地域の物流ポテンシャルのアップという神奈川とはとらえ方が全く違います。逆に、高速道路の開通によってライバルとなるエリアが増え、オーナーサイドとしては「はたしてここは選択される立地なのか?」と過疎化を危惧する声も聞かれるほどです。

確かに、各IC毎に、都心部への交通利便性や賃料相場感が違うため、そういう一面はあるかもしれません。圏央道は次に東北道に接続するわけですから、この時が埼玉県下の物流マーケットに大きく影響してくるものと思います。



高橋:先ほど圏央道周辺に拠点を移す外環道沿線のテナントの二次空室についてのお話が出ましたが、他エリアでの動きはいかがでしょうか。



佐藤氏:特に圏央道周辺への移転に限定するものではありませんが、東京から神奈川にかけてのエリアで郊外へ移転した物流拠点の跡地は、人口密集地が多いことや地価の高さから、物流施設ではなく別の用途に再開発されるケースが多いように思います。

ただし、現在でも物流適地にある老朽化した建物は、その周辺にある同様の古い建物や小規模の建物をスクラップ&ビルドして、大型施設とはいかないまでも比較的規模の大きな施設に建て替える計画が進んでいる例もあります。もちろんそういった新しい施設は、ランプウェイを備え各階接車ができ利便性の良い近代的な施設ですが、相応の賃料が設定されることになりますね。



白木氏:最近、賃料が上昇傾向だと言われていますが、確かにこれから竣工する物件の募集賃料は、賃料相場よりも高めに設定されていると感じる物件もあります。その要因は、主に建築費と土地取得価格の高騰でしょう。一方借り手サイドとしては、決して賃料負担力が上がっている訳ではなく、これらの物件へのニーズは、3PL事業者に代表される主力テナントの今後の賃料負担能力次第だと思われます。



シービーアールイー株式会社

高橋:首都圏の物流施設は、郊外の大型物流施設と都心部の小規模クラスとに2極化しているようですが、今、佐藤さんが話された、ミドルクラスの物流施設の開発が進んでいくのでしょうか。



佐藤氏:物流不動産マーケットは、これまで外資系大手デベロッパーが牽引してきました。スタートは手堅いニーズがあってのBTS、続いてある程度キーテナントを確定させた大型マルチと進展してきたのですが、最近では、先に土地を取得し開発する動きが主流になりつつあります。これは、ここ数年の成功事例がもたらしたもので、新規参入も進んでいます。実は、先ほどお話したような再開発は誰も手を付けていません。より大きな投資リターンを狙う大手デベロッパーからすると、投資機会のチャンスと言えます。



高橋:「卵が先かニワトリが先か?」ではないですが、これまでは供給サイドの先進事例で市場が変わってきたわけですね。それでは、テナントサイドの視点から見た、今後の物流不動産マーケットはいかがでしょう。



友田氏:首都圏の物流不動産マーケットにおいて、現代的な大型物流施設が占める割合は、床ベースで十数%と言われています。逆に言うと、市場にある8割方の物流施設が昔ながらの施設という訳です。もちろん、これらの施設でも物流業務は行われているのですが、昨今のe-コマースの成長を例に出すまでもなく、物流施設で行われる業務、物流に求められる要素は年々増加し、この流れは今後さらに加速していくことは間違いありません。

これまでの物流施設に対する見方は、「新しい・古い」「広い・狭い」という選別でしかなかったのが、今後は、規模の大きい小さいに関わらず、多様化するテナントのニーズから「利便性の高い施設とそうでない施設」の線引きが、より明確になっていくのではないでしょうか。



白木氏:トラック運転手の人件費や燃料費の高騰から、今後、運送費が安くなることはないとの認識が広がっており、そんな中、どうやって物流を効率化していくかが各社の大きな命題となっています。

今までは「遠方の物流施設を借りれば賃料が安くコストが抑えられる」という単純な方程式でしたが、現在では、遠方の拠点では燃料費や人材確保といった問題が生じてきます。そのため今後の流れは、契約段階で賃料は当分固定されると考え、これから上昇するであろう運送費に対して、自社にとって最適な場所に的確に拠点を展開していく戦略が求められていくのではないでしょうか。



 

佐藤氏:2014年から2015年にかけ、首都圏には過去最高の新規供給が予定されていますが、これら新規開発に牽引される形でテナントサイドから強い需要が生まれています。例えば、これまで全く見られなかった、竣工前に床を確保する動きが顕在化してきており、2015年上半期までの供給床は、すでに半分以上がテナント内定済みという状況となっています。床が必要な企業にとっては、「今、必要なスペースを押さえることが得策である」という判断がなされているのでしょう。

先に友田が話した自社が求める必要グレードの線引き、白木が話した自社に最適な立地への拠点展開ですが、大量供給を直前に控えた今こそ、これらを踏まえ、さらにトータルコストを見据えた拠点構築の絶好のチャンス。それを先見性のある企業が的確に捉えているように思えます。



高橋:物流拠点再構築の絶好のチャンス到来という訳ですね。今後のご活躍期待しております。本日はお忙しいところお集まりいただき、大変ありがとうございました。



■対談後記
高橋 竜二氏名:高橋 竜二

物流不動産のマーケット動向について私のかなり勉強になりました。今後の展開に期待ですね。

※本稿は、取材先企業様の発言に基づいて作成しております。内容の検証は行なっておりません。ご了承ください。



シービーアールイー株式会社


社名

シービーアールイー株式会社

設立

1970年2月

会社概要

世界に350カ所以上の拠点を構える、世界最大の事業用不動産サービス企業(2013年の売上ベース)。不動産オーナー、投資家、テナントを対象に、国内最大規模の物件データと市場分析力を基に、不動産に関する幅広いソリューションを提供。

事業内容

国内及び外資系企業を対象とした事業用総合不動産サービス
● 事業用不動産(オフィスビル、物流施設、商業施設等)の売買、交換、賃貸借の代理・媒介、  信託受益権の売買の代理・媒介、私募の取扱い
● 不動産戦略・投資に関するコンサルティング(投資顧問、鑑定、デューデリジェンス、アセットマネジメント等)
● 不動産情報 / データ分析提供・出版、マーケットリサーチ・レポート作成、セミナー開催
● プロパティマネジメント、不動産企画コンサルティング
● 企業のCREに関するコンサルティング
● プロジェクトマネジメント
● 不動産に関する各種代理・代行業務(契約書管理、施設管理、データベース管理)

企業理念

企業理念:RISE
シービーアールイー(CBRE)のコーポレートバリュー(企業としての価値観・企業理念)は当社設立の基礎となっている考え方です。この価値観は、時代が変化しても変わることはなく、国、人種、文化、ビジネスの境界を越えて共有することができます。
RESPECT(敬意)
全ての人に敬意を持って接し、互いの成功に向け尽力する
INTEGRITY(高潔)
常に高い倫理観に基づき、高潔な姿勢をもって臨む
SERVICE(貢献)
職務を通して、お客様をはじめ地域社会全体へ貢献する
EXCELLENCE(卓越)
如何なる時にも至高を追求し、更なる高みに向け邁進する

設立

1970年2月21日

資本金

1億5,000万円

代表者

代表取締役社長 CEO ベンジャミン・マーク・ダンカン

従業員数

750名

事業所

◆本社東京
◆支社・支店・営業所
大阪・札幌・仙台・横浜・名古屋・金沢・広島・高松・福岡
その他CBREグループ世界350拠点以上
※系列会社および提携先除く









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