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情熱会員インタビュー



「情熱会員インタビュー」Vol.29 株式会社信栄倉庫 (2011年07月07日)

株式会社信栄倉庫

2011.7.7
「情熱会員インタビュー」 Vol.29 株式会社信栄倉庫
代表取締役社長  吉田正俊 氏


「情熱会員インタビュー」の第29回は、神奈川県小田原市から約10kmのところに本社を構える株式会社信栄倉庫の代表取締役社長、吉田正俊様にお話をうかがいに参りました。


株式会社信栄倉庫

インタビュアー: 信栄倉庫様は、晴れた日には富士山が見える小田原の地に、神奈川県最大級の約11,000坪にも及ぶ広大な倉庫を持っていらっしゃる倉庫会社様です。

京都議定書が作成され、環境問題が強く世に叫ばれ始めた頃から積極的に環境問題に取り組みはじめ、今では「グリーン経営のモデル」として財団などから多数の表彰を受けていらっしゃいます。

本日は、グリーン経営を推進することによる効果と、今後の会社としての目標に関するお話を中心にうかがっていきたいと思います。
吉田社長、本日はよろしくお願いいたします。



吉田氏: よろしくお願いいたします。



インタビュアー: それではまず、御社の会社概要を教えていただけますでしょうか。



吉田氏: はい。弊社は全11棟の建物を抱える倉庫会社です。

倉庫は常温倉庫と危険品倉庫という2つの種類の倉庫を持ち、保管だけではなく、流通加工や物流コスト診断、物流管理レポートの作成といった様々なサービスを展開しています。

会社として社会的貢献を果たすことを重要視しており、2002年にはISO9001の認証取得を、私が社長に就任する前の年の2008年にはグリーン経営認証を取得しています。



インタビュアー: 交通エコロジー・モビリティ財団が管轄・認定している「グリーン経営認証」については7,000社以上が認証を受けている中で、御社がその冊子の中で特集されていたり、WEBの紹介動画に出ていらしたのを拝見しました。

高く評価されているのですね。どのような点が評価されたのでしょうか?



グリーン経営をとおして人財を育成する

株式会社信栄倉庫

吉田氏: 交通エコロジー・モビリティ財団からは、「グリーン経営をとおした人財育成や社内活性化に成功した例」ということで評価していただいたと聞いています。



インタビュアー: 「グリーン経営をとおした人財育成」ですか。



吉田氏: はい。私が社長に就任する前の約2年前、前の社長は将来後継者となりうる若いリーダーが社内で育っていないことに危機感を感じていました。

結果として、荷主からのプレッシャーが強くなっている昨今、業績が思うように伸びず、会社全体に何か行き詰ったような閉塞感がありました。

そこで改善できる何か良い案はないかと考えていたとき、トラック協会からたまたま紹介されたのがこのグリーン経営認証の取得だったようです。



インタビュアー: 「その取得を目指す過程でリーダーが育っていくことを期待した」ということでしょうか。



吉田氏: そのようですね。グリーン経営認証は、エコドライブの実施や、自動車の点検・整備、資源のリサイクルの実施といった項目が実現されているかチェックを受けることで認定されるものですが、これらの項目について120名の社員全員が部署ごとにチームに分かれ、それぞれのチームにリーダー役を付けて実施していました。



インタビュアー: リーダーはどのような人を選んだのでしょうか。



吉田氏: 人選には私も加わりましたが、各部署で評価されている若い人財の中から選んでいました。 若いリーダーを中心に、自分達の日ごろの取り組みをチェックし、改善点を考えて、実際に行動に移していくように促しました。



インタビュアー: それらの改善は、スムーズに進んでいましたか?



吉田氏: いえ、はじめはなかなか思うようにはいっていませんでしたね。 まず、それらのミーティングは全員の業務が終わる夜19時や20時くらいから始めていましたので、中には業務時間が長くなることを嫌に思う社員もいました。

また、リーダーは30代の若い社員でしたので、年配の社員の中には「若い社員の言うことは聞いていられない」と思っていた社員も少なからずいたと思います。



インタビュアー: 非常に意思の統一が難しい状態でのスタートだったのですね。吉田社長はそのような状況の中で、どのように行動されたのでしょうか。



吉田氏: 決して手を抜いていたわけではありませんが、当時はまだ社長に就任していなかったこともあり、若いリーダー役の社員達が改善するのを影でずっと見守っていました。何か問題があったときにすぐに手を差し伸べていたのでは、以前と何も変わりませんからね。

現場の社員に直接口出しをすることはせず、リーダー達と定期的に連絡を取り合う過程の中で、リーダー達が抱えている悩みや考えていることを聞き、彼らのモチベーションを確認するようにしていました。



インタビュアー: リーダーの人達を信頼して、完全にその場を任せたのですね。その後、状況は変わりましたか?



吉田氏: はい、リーダーの人達が辛抱強く頑張ってくれたおかげで、少しずつですが、意見が活発に交わされるようになっていました。「この会議は自分達を楽にさせるために行なっているんだ」ということを他の人達にも理解させたと共に、自らが率先して動くことで、信用を勝ち取っていたようです。



インタビュアー: そうですか。部下に仕事を任せきることはなかなかできることではないと思います。それでも辛抱強く任せた前の代の社長と、その想いを引き継いだ吉田社長の大胆な決断が、今になって、リーダーが育ってきている理由なのですね。



グリーン経営を推進したことにより変わったこと

株式会社信栄倉庫

インタビュアー: グリーン経営の取得を目指すことによって、人を育てるきっかけになることが分かりました。他に、会社として何か変わったことはございますか?



吉田氏: まず、環境に優しい経営を目指して、自分達の業務のムダを徹底して見直したことにより、コストを大幅に削減することにつながり、競争力がついたように思います。

グリーン経営の認証取得前と後の10ヶ月間で比較したのですが、貨物の取り扱い量が大型トラック41車分増加したにも関わらず、残業日数は約16日間分減らすことができました。

その結果、電気の使用量も認証取得後はその前と比べて11%改善しています。



インタビュアー: 11%ですか。目に見える経費削減効果がありますね。



吉田氏: はい。それから、2点目としては事故が減りました。2008年に認証を取得してからは、人身事故やその他大きな事故は起こしていません。



インタビュアー: 燃費の向上をいかに図るかというエコドライブが評価の主軸になったことで、これまでは運搬の量と速さばかりを気にしていたドライバーの心に余裕が生まれたのかも知れませんね。



吉田氏: そうですね。それから3点目としては、社員同士がコミュニケーションを取ることが多くなり、社内が明るくなったことが挙げられると思います。

例えば弊社では1年間に一回、全社員を集めて会議を行なう機会があるのですが、そこで、1年間で優れた環境対策の成果を挙げた部署を表彰しています。

そこで出した昨年の記念品は、電子マネーの「PASMO」でした。それを賞品としたのは、「切符ではなく、環境に優しいペーパーレスを進めるために、電子マネーを使いましょう」という意味が込められています。

決して高価な賞品ではありませんが、自分達の頑張りを実感できる賞品として、みんな喜んでいるようでした。



インタビュアー: それは面白いですね。賞品以上の価値を社員の方々は感じられたのではないかと思います。



信栄倉庫が目指すもの

株式会社信栄倉庫

インタビュアー: 最後に、今後のビジョンを教えていただけますでしょうか。



吉田氏: それは、会社の理念と重なりますね。弊社は、「お客様と明日の物流を目指す」ことをモットーとしています。物流業界も世の中の変化に合わせて刻一刻と変化していきますが、それに合わせて弊社でも、新しい物流のあり方を提言していきたいと思います。



インタビュアー: そのために必要なことは何でしょうか?



吉田氏: 「事実を直視し、変化をさせていこうとする勇気を持つこと」だと思います。

例えば、荷主企業様から新規での仕事をいかに得ていくかということは、各社共通の課題ですよね。弊社は今後、「しんえい市場」という物流資材や事務用品等を共同購入で安く買えるサービスを荷主企業様相手に始めていく予定で、荷主企業様とはじめの関係を作る一つのきっかけにしていきたいと考えています。



インタビュアー: 今まで耳にしたことのない、新しい事業です。事業を始めるために、大きな決心が必要だったと思いますが。



吉田氏: そうですね。しかし、新しいことを始めていかなくては逆にリスクにもなりますから。

物流業界はメーカーと小売店の両方に挟まれており、自身としては独自の製品も持ち合わせていないことから、どうしても圧力をかけられて受身の仕事をしてしまうという傾向があります。年々、その傾向は強まっており、このままでは物流業界は本当に苦しくなっていきます。

その状況から抜け出すためにも、新しいことを始め、競争力を持っていかなければなりません。環境分野で成果を出し、幸運にも注目していただけている弊社が「新しい物流のあり方」を示していきたいと思っています。



    

社名

株式会社信栄倉庫

代表者

吉田 正俊

創業

1969年(昭和44年)10月

所在地

神奈川県足柄上郡開成町吉田島4289-25

TEL

0465-82-0131

FAX

0465-83-0213

事業内容

倉庫業(冷蔵倉庫業を除く)
流通加工
一般貨物自動車運送事業




■対談後記

グリーン経営で注目されている神奈川県にある倉庫会社・信栄倉庫様の元を訪問させていただきました。

お話をうかがって、「新しい物流のあり方を示したい」と考える姿勢に強く惹かれてきました。吉田社長が期待を寄せる若いリーダーの方々が、今後、ますます会社や業界の変革に尽力してくださることを注目して見ていきたいと思います。


※本稿は、取材先企業様の発言に基づいて作成しております。












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