インタビュアー(以下、松尾):株式会社ビーベストワーク様は、ノンアセット型の3PLサービス企業です。
原料調達から生産、流通、販売、代金回収、さらにはリサイクルまでも含むサプライチェーンの企画・構築・運営管理など、多岐にわたって高度な専門性を駆使し、一括受託を行っています。
荷主企業様と、物流企業様とを有機的につなげながら、物流サイクル上で発生する諸問題にトータルなソリューションを提供しております。
今回はビーベストワーク様が3月に発生しました東日本大震災を受けて、開発しました転倒防止のための耐震マットについておうかがいしていきます。
剱持社長、どうぞよろしくお願いいたします。
剱持氏:よろしくお願いいたします。
松尾:ではまず、会社概要からおうかがいしたいと思います。創業の経緯から教えていただけますか?
真剣にお客様のためを思い、実行していくことが大事
剱持氏:はい。当社は12年前の平成11年に創業しました。
私は元々、運送会社に勤めており、その後、別会社にて倉庫内の運営業務に携わっておりました。そのなかで、物流センターの企画を行ったり、現場で働く人が使用しやすいような設備を作ったりと、運送・配送だけではない業務に携わり、それによって関わるお客様の業績が上がり、結果が出ることを実感しました。
物流は経営の重要な戦略であり、そこに強く興味を持ちました。
松尾:倉庫内の運営業務から、どのようなことは感じられたのですか?
剱持氏:物流とは、荷主と卸・小売業を結ぶ中間の仕事をしているだけであると思っています。しかし、物流を制するものは、業界を制すと考えています。
物流自体はお客様の事業にとって利益を生み出しませんが、圧縮することで簡単に利益転換できます。そのような使命にやりがいを感じています。物流においてしっかりと品質を維持することで、お客様に大きなメリットを提供することができます。
現在、お付き合いをしているお客様の物流コストの削減(=利益転換)も実現し、経営戦略のひとつとして貢献し、お客様に喜んでいただいております。
松尾:なるほど。そのような思いから創業に至られたのですね。
剱持氏:真剣にお客様のためを思い、実行していくことが大事だという思いを持っており、少数でも自分の思いを理解してくれる人とお客様のためにやっていこうと創業に至りました。
したがって、私は『人』を一番大事にしております。どのように良いしくみであっても『人』や『人との関係』が重要です。
松尾:ありがとうございます。人を大事にしているとのことなのですが、具体的にはどのようなことを行っているのですか。
剱持氏:物流業界において、実務を行っているのは、派遣スタッフの方やアルバイトの方が大半です。
したがって、当社では人の管理やマネジメントができる人材をつくることを第一に社員教育を行っております。現場の管理者は、労働時間の管理・人の管理など全てのマネジメントを行うことは難しいのです。
そこで、当社で人材のマネジメントと管理ができるメンバーを育て、現場の改善を行っております。
また、現場においては、挨拶や掃除や、仕事とは何かという、モラル教育からしっかりと社員が行っています。
松尾:御社の社名は何を表しているのですか?
剱持氏:当社のイメージは働き蜂です。ミツバチは植物の増殖を助ける循環型の生き物です。当社も物流業界のミツバチのようにありたいと思っております。花であるお客様が、開花し、実をつける為に、一役を担っています。
「物流業界」を発端として、様々なお客様に対してベストな仕事を行い、、世の中全体の循環に役立っていきたいという思いが込められております。
松尾:ありがとうございます。強い思いを感じました。
では、震災後に開発されたという耐震マットについておうかがいします。製品のご紹介と経緯を教えていただいてもよろしいでしょうか?
震災時、多くの物流現場が混乱に陥った
剱持氏:はい。この耐震マットは荷物と作業者を守るために開発に至りました。
きっかけになったのは、先日の東日本大震災の際です。震災時、弊社でも多くの物流現場が混乱に陥りました。
施設そのものにダメージはなかったのですが、パレット積みの荷物は横揺れで崩れ、大変な状況でした(写真参照)。
松尾:倉庫内はとても大変な状況だったのですね。
剱持氏:私自身も復旧指揮を執り、実際に作業をしていたのですが、気になったのは、施設を建てた建築会社やマテハンメーカーの対応でした。一様に自社が関わった物流施設の耐震構造には自信を持っていましたが、保管している荷物がどうなるかまでの関心は薄かったのです。
物流事業者として自己防衛が必要との思いに駆られ、パレットの横滑りを防止する耐震マットの開発を決意しました。
剱持氏:安価で使いやすいものを提供していきたいと思っています。
この素材はPVC(ポリ塩化ビニル)を使用しています。当初はゴムを使用する予定でいたのですが、ゴムは高額で、また劣化が早く、燃えやすいため断念しました。
使用している素材は、PVC(ポリ塩化ビニル)の一種です。ビニールハウスや、水道管などのバルブ、樹脂サッシなどに使用されている国内再生100%の環境にも優しいエコ原料を使用しております(下記写真参照)。
この素材(写真参照)は、経年変化が少なく、高い性能を長期間持続するのも特徴です。加えて、自己消化性を持つ難燃素材のため、安心して利用いただけます。
松尾:どのくらいの揺れに耐えられるのですか?
剱持氏:はい。弊社では、振動実験も実施しました。マットがある場合とマットがない場合で比較したところ、震度6弱からマットの有無で大きく差が生じました。
関東地域や東海地域で地震の可能性が指摘されています。先日の東日本大震災であったように、もはや震度6以上の地震がいつきてもおかしくない状況と言えます。
いずれ大きな地震が来るのであれば、対策を講じるのなら早いほうが良いです。
松尾:本当に地震が起こる可能性は高いと言われていますので、それに向けた対策は必要ですね。
実際に地震を想定した実験の動画を拝見しましたが、マットがある場合とない場合では大きな違いが表れていることがわかります。
【実験動画】
| 実験その1: 耐震マットがない場合 |
実験その2: 耐震マットがある場合 |
【実験結果】

剱持氏:マットの基本サイズはT11型パレットがそのまま置ける1150mm×1150mmです。これに400個もの突起物が並びます。グリップ力に優れたこの突起物が衝撃を吸収するとともにパレットを包みこむように振動を抑えることができます。
また、800トンのプレスをかけて成型するため耐荷重にも優れています。高く積んだ荷物が余計に崩れやすくなるという指摘もありますが、一般的な物流現場では1.6メートル以上の高さまで荷物を積むことは少ないため、そのリスクは少ないと考えております。
今は物流事業向けに耐震マットを販売しておりますが、今後は、重量物の耐震マットとしても使用していきたいとは考えています。

松尾:なるほど、ありがとうございます。
強い思いがあり、開発にいたっていることがとても良く分かりました。現場を良く見られているからこそ開発した商品なのですね。
現場を動かすには、『人』『しくみ』『マネジメント』が重要
剱持氏:私たちの展開する事業は、完全ノンアセット型の3PLサービス提供事業です。物流企業側よりは荷主の立場にたち、第3者機関としてサービス提供をすることが可能です。
そしてそのような視点で見て立てた計画は必ず実行するようにしています。
現場を動かすには、『人』『しくみ』『マネジメント』が重要です。どれひとつが欠けても効率はあがりません。
全てがオートメーション化しても『人』の教育ができていなければ意味がありません。その部分をお客様の立場に立って取組むことができるかどうかが大事なのです。
松尾:なるほど、『人』『しくみ』『マネジメント』に視点をおいて、現場を動かすのですね。
剱持氏:全ては現場で起きており、解決策も現場にあります。本当にお客様のことを考えているのは現場であり、現場とのコミュニケーションをとても大事に考えています。労働環境の改善や労務管理にも取り組んでおります。
本当に効率を上げるためには、現場の人材の管理をして、コミュニケーションをとり、しっかり休んでもらい、次の日もまたがんばって働いてもらう。このような循環型で行っていかなければ効率の上がる運営はできません。
荷主側が現場を理解して、弊社を必要としてもらっているお客様とパートナーとしてお仕事をしています。
松尾:お客様と現場のことを思い活動しているのですね。
剱持氏:はい。弊社の大事にしている『お客様のため、現場のため』の思いは、物流だけに留まらず、現在は、オフィスワークの業務効率化に関する事業にも取り組んでいます。具体的には、オフィス内で負荷となっている業務の効率化の提案、請負等を行っております。
当社のオフィスプランナーがお客様と共に、コスト削減だけではなく、新たな価値の創造を実現しております。それにより、お客様は本来の業務に集中することができます。


松尾:なるほど、確かに、人員の削減で様々な企業で業務の圧縮が行われており、本来の業務に人材を集中できていない企業は多々存在します。
非効率な業務をコツコツと行っている企業も多いのではないでしょうか。
剱持氏:はい。そのような企業様のためにもお役に立てればと思っております。
現場の作業員を守るため、お客様の資産を守るため
松尾:御社の製品を物流業界にどのように生かしていきたいとお考えなのでしょうか?
剱持氏:耐震マットは、これを売ることが目的なのではありません。2つの目的のために開発しました。
ひとつ目は、現場をもっと良くしたいという思いから、けがのないよう安全対策として、現場の作業員を守るために。ふたつ目は、お客様の資産を守るためです。
お客様の商品を預かっている以上は保険以上の対策を講ずるべきだと考えています。以上の2点のために、この耐震マットが役に立てればと考えております。
松尾:単なる、震災対策ではなく、お客様の荷物を守るため、現場の作業員を守るために必要な耐震マットなのですね。私もこのマットがもっと物流業界に普及していくことを影ながら応援していきたいと思います。
本日は、貴重なお話をして頂きありがとうございました。
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社名 |
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代表者 |
剱持正和 |
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設立 |
平成11年4月 |
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所在地 |
〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-29-14 カイセイ八丁堀ビル8F |
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TEL |
03-3523-2220 |
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FAX |
03-3523-2246 |
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事業内容 |
・物流業務における作業全般 |
現場主義を貫く、3PLサービス企業、ビーベストワーク様の開発された耐震マットについてお話をして頂きました。
現場を第一に考え、震災直後から動き出し、震災から数ヶ月という短い期間でこのマットの開発・販売まで至ったおり、そこに本当に現場を良くしたい、改善したいという気持ちを強く感じました。
是非、皆様の現場でも導入していただければと思います。ありがとうございました。
※本稿は、取材先企業様の発言に基づいて作成しております。内容の検証は行なっておりません。ご了承ください。















