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エコ商品インタビュー



「エコ商品インタビュー」Vol.11 株式会社セベック (2011年05月20日)

株式会社セベック株式会社

2011.5.19
「エコ商品インタビュー」 Vol.11 株式会社セベック
代表取締役社長 小豆嶋 和洋 様


「エコ商品インタビュー」の第11回は、

東京都千代田区に本社を構える株式会社セベックの社長、小豆嶋和洋様にお話をうかがいに参りました。

株式会社セベック

インタビュアー: セベック様は、バイオディーゼル燃料(※以下、BDF。廃食油から作られる植物由来の燃料)を製造する機器を開発・販売するメーカー様です。

BDFが世間に注目される前の2000年から業界に参入し、今ではBDF製造機のシェアで75%という圧倒的なシェアを誇る、業界のリーディングカンパニーです。

本日は、BDF事業の採算性に関するお話と、事業を発展させてきた歴史、それから、今後のビジョンに関するお話を中心にうかがっていきたいと思います。

小豆嶋社長、本日はよろしくお願いいたします。



小豆嶋氏: よろしくお願いいたします。



インタビュアー: それではまず、御社の会社概要を教えていただけますでしょうか。



小豆嶋氏: はい。弊社は主に、福祉施設や運送会社、建設会社などにBDFの製造機を直販している会社です。環境に対する意識が大きく高まりつつあった90年代後半にバイオディーゼルに注目し、2000年から事業を始めました。現在は日本全国800を超える施設や企業様が製造した機器の導入をしてくださっています。



インタビュアー: 約10年という期間で急速にシェアを伸ばし、右肩上がりの成長をされてこられたのには理由があるかと思います。既に機器を導入された企業は、BDFのどの点に注目をされたのでしょうか。



大幅なコスト削減をもたらすBDF製造事業

株式会社セベック 株式会社セベック

小豆嶋氏: 原料を安く仕入れて、安く作れることだと思います。BDFははじめに、飲食店や食品工場などから廃食油を手に入れるところから始まります。通常、飲食店などでは廃食油をお金を払って処分していますが、それを1Lあたり1円の有価で買取ります。買い取った廃食油を弊社の機械によって精製していくわけですが、その製造コストは人件費を含めても50円程度で済みます。



インタビュアー: 50円ですか。ガソリンスタンドで見る軽油の一般的な料金が120円代後半(2011年5月現在)ですから非常に安いですね。



小豆嶋氏: はい。この安く作ることができたBDFを、導入顧客として多い福祉施設などでは運送会社や建設会社に販売をして利益を上げていらっしゃいます。一方、運送会社などでは、自社の使用分として製造し、コスト削減をされているようです。



インタビュアー: 作ったBDFを自社で使用することもできるし、他社に販売することもできるのですね。 ちなみに、製造機器の値段はどの程度かかるのでしょうか?



小豆嶋氏: 350万円から3,500万円です。手軽に導入ができる小型の手動のタイプから、自動で大量に製造ができる大型のタイプのものまで6種類用意しています。

最も普及している『EOSYS-200M』というタイプで計算すると、バイオディーゼルの生産量は1日12時間機械を稼動させると考えて、最大で360Lとなります。
燃料を1Lあたり100円で販売したとすると、売上げは36,000円であり、薬品・電機・水道代といった1日あたりのランニングコスト12,000円を差し引くと、24,000円の利益が発生します。
その利益に1日分の機器のコストを差し引いた値段が実際の1日あたりの利益になりますね。



インタビュアー: 機器のコストはどのような計算になりますか?



小豆嶋氏: 『EOSYS-200M』の値段は480万円であり、耐用年数は約8年。それを年数で割ると1年間の機器のコストは60万円であり、1日あたりで考えると機器の費用は約1,650円となります。



インタビュアー: 機器のコストを差し引くと、1日あたり約22,000円の利益が発生するということですね。 1年間に換算すると燃料の確保がしっかりとできれば、年間で最大803万円の利益が出る計算になります。計算上、非常に高い利益が出ますね。手動タイプの場合は、これらの製造コストの他に人件費を加えたものが生産コストだと考えてもよろしいですか?



小豆嶋氏: そうですね。しかし、人手はほとんどかかりません。1時間に1回、10分程度の女性でもできる簡単な軽作業です。ですから、トータルで考えても製造コストは1Lあたり50円以下になると思います。



インタビュアー: 収集のための人件費のかかり方にもよりますが、運送会社にとってみれば、大きなコスト削減になる可能性が高いということですね。この記事の読者の方は物流関連の企業様が多いのですが、他に、運送会社にとってメリットはありますか?



小豆嶋氏: まず、環境対策を進めているという企業イメージの向上につながると思います。 イメージの向上につながるのは、物流会社様だけでなく、荷主企業様においてもそうですね。特に食品会社では、その商品を作るのに、どの程度の二酸化炭素が排出されたのかを示す「カーボンフットプリント」を商品に施す取り組みが始まっています。



インタビュアー: その表記がされていることで、どのような影響があると考えられますか?



小豆嶋氏: 消費者が購入時にそれを厳しく見るようになってくると思います。少しくらい高い値段であれば、環境に優しい製品を選ぶようになるかもしれません。この表記に書かれているCO2排出量は、製造過程だけでなく、運送過程でかかった分も含みます。そのため、食品関連の会社では、運送会社がどの程度CO2を排出しているのかということに非常に神経質になっています。



インタビュアー: 消費者を満足させ、それが結果的に荷主となる食品メーカーに利益をもたらすわけですね。



BDFが世に広まるまで

株式会社セベック

インタビュアー: ここまでで、BDF製造事業の採算性の高さがうかがえました。今でこそ体制が確立し、参入しやすくなっている状況ですが、業界のパイオニアとして、これまで苦労されたことも数多くあったのではないでしょうか?



小豆嶋氏: そうですね。まずはじめに直面した問題は、2003年ごろ、機械を作ったものの売れなかったという問題があります。当時は、大型のモデルしかなく、BDF自体の認知度もまだまだ低い状態であったため、1年間に1、2台しか売れないという年もありました。



インタビュアー: それは厳しい状態ですね。その状況をどのように乗り越えたのですか?



小豆嶋氏: これまでの方針を大きく転換し、まずは普及を目指そうということになりました。大型の機械に加えて、小型のものを用意して製品の値段を抑えました。また、これまで販売方式は購入のみでしたが、1ヶ月5万円から借りられるレンタルサービスを開始しました。 それらが大きく当たり、その後急速に拡大させることに成功しました。



インタビュアー: 製品の単価を低くし、レンタルもできるようになって、参入時の不安を大きく解消させたのですね。他に、普及に成功した理由はありますか?



小豆嶋氏: そうですね、販促活動は積極的に行ないました。DM、メルマガ、電話、セミナーなどの他に、飛び込みでの営業も行ないました。



インタビュアー: 飛び込み営業ですか。断られることも多く、精神的にきつくなった時期もあるかと思います。それでも、めげずに販促活動を継続できたのはなぜでしょうか?



小豆嶋氏: 必死だったからだと思います。大手企業さんであれば、構えて待っていればネームバリューでお客さんが集まってくるかもしれませんが、ベンチャーとして立ち上がった弊社はそうは行きません。ただ、そのようにしんどく感じることもありますが、世の中に自分達の製品を普及させていくことは嬉しいことですよね。「新しい時代を作る」ということに、何よりの楽しみを感じてきました。



インタビュアー: 新しい時代を作るという、ロマンや使命感のようなものがご自身の支えになられたわけですね。その生き方に非常に魅力を感じます。



まちに新しいエネルギーを提供する

株式会社セベック

インタビュアー: 最後に、今後のビジョンを教えていただけますでしょうか。



小豆嶋氏: 世の中に新しいエネルギーを提供していきたいですね。3月11日に起きた東日本大震災をきっかけに、今後は新しいエネルギーを供給すべき時代がやってくると思います。



インタビュアー: 詳しくお聴かせいただけますか?



小豆嶋氏: 今回の震災をきっかけに石油の値段が高騰し、多くの企業や市民の方々が影響を受けました。そのため、弊社ではまず既存事業のBDFをより広めていきたいと思います。BDFは石油に比べ、価格の変動リスクが少ないため、生活や企業活動を逼迫することがほとんどありません。それから、弊社は今後、家庭用の発電機の普及にも努めていきたいと思います。



インタビュアー: 「家庭用発電機の普及」にはどのような想いがあるのでしょうか?



小豆嶋氏: 世の中に「安心」を提供したいという想いがあります。実は私自身、仙台で被災しました。移動手段が絶たれ、数日間、避難所での生活を余技なくされました。避難所での生活はテレビで見るよりも辛いもので、そこでは何人もの人たちが不安そうに生活をしていました。もしも、そこに電気があったらどうだったか。寒い思いをすることもなく、また、助けられた命もあったと思います。



自分達は人々の不安を解消できる事業を始められる。それが、新しく「家庭用発電機」の普及を目指していこうとしている理由です。




    

社名

株式会社セベック

代表者

小豆嶋 和洋

創業

2000/05

所在地

東京都千代田区紀尾井町3-33プリンス通りビル4F

TEL

03-3515-2151

FAX

03-3515-2152

事業内容

・廃食油再生燃料化装置(バイオディーゼルプラント)の開発、販売及びリース
・業務用揚げ油の劣化防止素材の開発、販売及びリース
・廃食油再生燃料(バイオディーゼル)の生産及び販売
・上記業務に付帯関連する一切の業務




■編集後記
BDF製造機を製造・販売するセベックの小豆嶋社長にお話をうかがいました。
高い収益を上げるしっかりとした事業と、社会貢献を同時に実現されているところに感心しました。
「エネルギーの供給をとおして、世の中に安心を提供したい」という、小豆嶋社長の強い想いが今後実現されていくことを願ってやみません。

※本稿は、取材先企業様の発言に基づいて作成しております。内容の検証は行なっておりません。ご了承ください。




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