「トップの視点」コラム
橋本直行の「トップの視点」【やりたい人にさせる】 (2012年05月10日)
自主的・自発的なモチベーション(動機付け)に勝るエネルギーは
ありません。
躍進する運送会社、富士運輸の要職は、立候補制で決まります。
「上司の好き嫌いではなく、やりたい人にさせる」というのが、同社
社長の松岡弘晃氏の考え方だからです。
つまり、その人の仕事振りやスタンス、能力などを考慮して選ぶの
ではなく、自主性を大切にするということです。
例えば、ある社員は、ドライバーだったときには、決して高評価では
なく、むしろ問題児でした。
しかし、立候補によって配車係になり、今は大活躍しているそうです。
おそらく、当時の配車に対する不満点を正す気持ちだったのでしょう。
同社には、このような例が、他にもたくさんあるようです。
船井総研創業者の船井幸雄は、自主的に取り組んだときは、ただ指示
されてやったときの1.6の2乗倍(=2.56倍)のモチベーションが
生まれると説いています。
やりたい人にさせる立候補制は、本質を突いた人材登用法です。
橋本直行の「トップの視点」【よい人材を推薦してもらうためには】 (2012年05月02日)
ハローワーク、高校の進路指導部、大学の就職課やゼミの教授など
から、よい人材を紹介・推薦してもらうためのポイントには、2つ
あります。
ひとつは、足繁く通って、熱意を伝えることです。
自社の会社概要や業種・業態、職種、そして求める人材像についてを
知ってもらい、マッチしそうな人材がいたら、いち早く知らせて
もらえるような人間関係をつくることが、重要です。
もうひとつは、採用後の報告を、定期的にすることです。
特に、高校の先生や大学教授は、教え子の就職後の状況を案じて
います。
その心配を払拭するため、その後の様子を知らせるのです。
例えば、高卒社員の新規採用に力を入れているS運送倉庫では、高校
向けの月刊ニュースレターに、新卒採用者の仕事振りがうかがえる
内容の記事を掲載しています。
高校の進路指導の先生は、それらを読んで、教え子が成長した様子を
知り、安心するのです。
安心できる会社なら、また紹介・推薦をしたくなります。
橋本直行の「トップの視点」【直感面接】 (2012年04月28日)
採用面接にあたって、履歴書や職務経歴書は、事前には、あまり
視ない方がよいと、私は考えています。
なぜなら、職歴に意識が引っ張られて、眼が曇ってしまう危険性が
あるからです。
特に、人手が不足しており、多忙を極めているときは、要注意です。
普段以上に、同じ業界の経験者が、キラキラ光って見えるものです。
第一、過去の功績なんて、検証するのが難しいものです。
職務経歴書は、アテになりません。
たとえ真実が記載されてあるとしても、それらは、過去のことです。
私は、採用面接の際には、まずは先入観を持たずに、その人の容姿や
態度、発言内容をじっくり観て、直感で得られるものを重要視すべき
だと思います。
過去の情報は、その上で参考にすべきものでしょう。
橋本直行の「トップの視点」【推して知る】 (2012年04月21日)
路線便事業を営むO運送のセールスドライバーの皆さんは、顧客への
営業訪問後、必ずハガキのお礼状を出します。
それで、先日は、荷物の発送業務を新規に依頼された顧客から、
「このようなハガキを出すような会社は、きっと品質がよいだろうと
思えたので、発注した」と言われたそうです。
ハガキから視える真摯な態度から、業務への取り組み姿勢までも
測られたのです。
メールやフェイスブックメッセージが、当たり前の連絡手段である今
では、さらにこの手法の効果は高くなったと言えるでしょう。
ただし、いかに効果の高い「手法」と言えども、「仕事が欲しい」と
いう下心だけからでは、長続きしません。
下心を起点とするモチベーションには、永続性はないからです。
私も、弊社入社以来の15年以上、ハガキを出し続けていますので、
そのことは、よくわかります。
ですから、やはりハガキから、業務の品質は視えるのだと思います。
橋本直行の「トップの視点」【やる気1.6倍の法則】 (2012年04月14日)
浜松委托倉庫(本社:静岡県浜松市)の米津出荷センターは、5Sが
徹底され、作業員の皆さんがイキイキ働く、すばらしい現場です。
秩序とモチベーションの両方が保たれています。
本センターを統括する部長、小田久文氏は、ルールを示す際に、必ず
その背景や目的をしっかり伝えます。
これが、高レベルな現場を実現している理由だと思います。
例えば、本センターの畳敷きの休憩室では、休憩時間終了時に、必ず
平机をたたんで壁際に並べて立て掛け、座布団は所定の場所に所定の
枚数を重ねて、片付けなくてはなりません。
小田部長は、このルールの目的を、「毎回しっかり片付けることに
よって、忘れ物を防ぐため」とハッキリ示しています。
こういう理由を、繰り返し伝えることにより、各種ルールが、納得の
上で徹底されています。
船井幸雄は、ただ単に仕事をしたときのやる気(≒効率)を1と
すると、その仕事の目的を理解した上でする場合のやる気は1.6倍に
なると説いています。
米津出荷センターの現場には、この法則が現れています。
橋本直行の「トップの視点」【優れた騎手】 (2012年04月11日)
「名選手が名監督ならず」とは、よく言われることです。
例えば、プロ野球の世界でも、川上哲治氏や野村克也氏、落合博満氏
など、一部の例外はいるものの、名選手だった人が必ずしも名監督に
なれるわけではないようです。
これは、プレイとマネジメントの技術は、全く別物だからでしょう。
現在はイタリアサッカー協会の要職を務める、アリゴ・サッキという
指導者がいます。
プロサッカー選手としての経験をもたず、少年サッカーのコーチから
イタリアのトッププロチームの監督まで登りつめ、その後ヨーロッパ
チャンピオンズリーグ連覇という偉業を成し遂げました。
イタリア代表監督としてもワールドカップで準優勝している名将中の
名将です。
ゾーンプレスという、従来にない戦術を生み出しています。
彼は、指導者にプロ選手経験は必須ではないと言い切り、次のような
名言を残しています。
「優れた騎手であるために、馬だった必要があるだろうか?」
管理職登用にあたり、大きな示唆を得られる言葉です。
橋本直行の「トップの視点」【カンチャンをすぐにツモれる方】 (2012年04月10日)
新柏倉庫(本社:千葉県柏市)社長の伊藤武人氏は、自身のブログで、
自社が求める人材の条件のひとつに、「カンチャンをすぐにツモれる
方」というものを挙げています。
カンチャンとは、麻雀で、順子の中心の牌がない状態のことです。
端の牌がないよりも、順子に揃えられる確率は低くなります。
それを「すぐにツモれる」と豪語する人は、自身のことを、「非常に
運がよい」と感じている人でしょう。
反対に、「なかなかツモれない」と言う人は、自身のことを、「運が
悪い」と感じていると思われます。
確率論的には、カンチャンをツモれる確率は、同じはずです。
つまり、同じ確率でカンチャンをツモっていても、両者は、捉え方が
違うのです。
それならば、何があっても、自身は運がよいと感じている人を採った
方がよいでしょう。
伊藤社長が、この条件を挙げているのも、そういう意味だと思います。
以前、ある経営トップも、人材採用面接では、必ず「あなたは、運が
よいと思いますか?」という質問をすると言っていました。
理由は、「運が悪い」と答える人は、会社や他人のせいにする傾向が
あり、感謝することができない人だから、それを見極めるためです。
逆に、「運がよい」と答える人は、他人に感謝できる人材です。
自己の運について、どのように感じているかは、とても重要な要素
なのだと思います。
橋本直行の「トップの視点」【全文アップ】 (2012年04月08日)
入出運送(本社:静岡県浜松市)社長の鈴木啓之氏は、ご自身の
ブログに、入社式での訓示内容を、全文掲載されています。
その中で、鈴木社長は、「私が新入社員のお2人、また全従業員に
期待することを、ふたつ話させていただきたいと思います」と述べて
います。
そのとおり、入社にあたってのメッセージは、従業員に対して、
「こうあって欲しい」ということですから、新入社員だけではなく、
先輩従業員へ、あらためて方針を伝える機会となります。
そして、その全文をブログに掲載すれば、出席できなかった従業員
へもメッセージを送ることができます。
また、自社への応募を検討している求職者や、取引を検討している
見込み客への方針提示にもなります。
かの松下幸之助翁は、自身のすべてのスピーチの文字起こしを命じ、
社内への経営方針の浸透を図ったそうです。
(今でも、録音テープの文字起こし作業は続けられています)
経営トップが、ご自身の想いを浸透させたいなら、折々の訓示を
文字として残して、バッチリ伝わるように、手を打つべきです。
橋本直行の「トップの視点」【独りメシ】 (2012年04月07日)
業務の品質や効率を上げるためには、組織内のコミュニケーションを
活発化させなければなりません。
そのためには、各人の接点を増やすためのルールも必要です。
コミュニケーションが悪い組織は、そのへんを野放しにしています。
例えば、それぞれが、好き勝手な場所で、昼食を摂っている工場や
物流センターがあります。
人によっては、クルマの中で、ひとりで食べているという状況です。
そういう職場は、たいてい仕事上のコミュニケーションも悪く、
業務の品質や効率が上がりません。
普段の会話がない者同士が、積極的に協力し合う関係になるのは、
難しいからです。
よって、会社として、「昼食は休憩室で摂り、よい関係づくりに
努めましょう」といった指導をすべきです。
罰則はなくてもよいですが、ルールに近い示し方をした方が、よいと
思います。
「休憩時間の過ごし方まで、関与するのはどうか?」という意見も
あるでしょう。
しかし、コミュニケーションの活発化が、業務の品質や効率の向上、
そして組織の一体化・活性化につながるのです。
皆の幸せのために、積極的に関与すべきだと思います。
橋本直行の「トップの視点」【生産性アップのための環境整備】 (2012年04月04日)
企業の業績アップの要諦は、組織一体化です。
組織を一体化させるためには、組織内のコミュニケーションを活発化
させなければなりません。
コミュニケーションが活発になれば、知識の共有化が図られ、工夫が
生まれ、戦意が上がり、生産性がアップし、革新も産まれます。
そのために、まずすべきことは、先号で提案した「挨拶の強化」です。
そして、さらに、組織として取り組むべきことは、環境の整備です。
仕事場のレイアウトとルールを整備し、コミュニケーションが活発化
する場を創るのです。
各部屋や通路、およびその中にあるデスクなどの備品の形状、配置を
工夫することにより、確実に報告・連絡・相談の量と質は向上します。
生産性をアップし、革新を産むための環境の整備に、ぜひ取り組んで
みてください。
なお、次号では、ルールの整備について、お話します。














